子供には不思議な感覚がありますよね。
1歳児の次男坊が部屋の隅の上の方や街角の電信柱を見つめて、手を振っていたりするのを見ると、もしかすると大人には見えない何かがあるのかな?なんて思ったりもします。
想像力が豊かな娘と私は「人が言葉がしゃべれる前だけ見える妖精」をわが家のちびっこが見ている、ということにしています。
さて、そんな今ではお姉ちゃんになった娘ですが、以前まだ娘が小さい時に不思議な体験をしました。
二人でバスに乗っていた時のことです……。
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娘と二人で病院に行きました。
帰路につこうという時に、外は大雨。
仕方がないので、大雨の中、娘を抱っこして使い慣れていないバス停を探していたわけです。
ふと見ると恐らく我が家の方向へ向かうだろうバスが今まさにバス停に停まろうとしています。
なので、慌てて走って駆け込みました。
が。
「乗れてよかったね」と娘と二人で話していたところ、そのバスがまったく違う方向に向かっていることに気付いたのです。
(思えばその時のことは、このバスの乗り間違いがすべての原因だったのです)
幸いしばらく行けば、わが家から1キロくらいのところに停まりそうです。雨の中、娘を抱っこして1キロはイヤですが、仕方がありませんでした。
娘はおとなしく座って車窓を眺めていました。
と。
突然娘が大きな声で「天国に行くんだね!」。
私が「え?!」となっていると
もう一度「このバスは天国に行くんだね!」と一言。
そして、「ほら!あの木の葉っぱは天国の葉っぱなんだね!?」と。
なぜかその時私は、娘には大人が見えない何かが見えていると瞬間的に思いました。
近隣でも一番大きな病院近くのバス停を通ってきたので、車内は高齢者の方が大半で、私たち以外は静かな感じです。
娘はバスのエンジン音に負けないくらい、大きな声で発言を繰り返します。
そんな車内で、私はもしかしたら道路の前方に見える交差点の「数分後の未来」を娘が見てしまっているのかもしれないと思ったのです。
交差点が近づくほどに娘は大きな声で、
「見て!あの木もあのお家も天国のなんだね」
「もうすぐ!天国につくんだね!」
私は何かあれば咄嗟に娘をかばおうとフロントガラスを凝視していました。
かなり緊張状態でした。
……が。
無事交差点通過。
次のバス停に何事もないように停まろうとしています。
すると、バスの運転手さんが
「せんごく○丁目~、せんごく○丁目~」
とアナウンス。
な、、ん、、だ、、と!!
せ・ん・ご・く
せ・ん・ご・く
て・ん・ご・く
て・ん・ご・く
私を極度に緊張させた娘のシックス・センスは、ただの聞き間違いという古典的なオチに落ち着いたというわけです(なんだそりゃ……)。
…………マジでなんだそりゃ。