以前、長男が小1坊主だった頃、個別面談に出席したことがあります。
面談内容は息子の学習進度や学校での生活態度などを教えてもらえるものだったのですが、父としては息子が家庭で見せない顔を知ることができて、非常に興味深いものでした。
入学時の春先は毎日泣きべそをかきながら登校時間ギリギリまで母親のベリーさんにすがっていた息子が、その時には学校生活を溌剌と楽しんでくれていることに心からホッとしたのを憶えています。
で、この個別面談。
待ち合いの廊下にはお母さん方がズラリ。
私が行った時には一人もお父さんがいませんでした。
そもそも平日の日中に面談時間が設定されているので、働いている親が参加しづらいことは明白です(というか当たり前)。
そこで、面談の時に先生に質問すると、息子のクラスでお父さんが個別面談に参加していたのは私含めて2人だけでした。
32名のクラスでお父さんの出席が2名だけ……。
これ、統計的におかしな話だな、と。
詳しく調べていないので少々乱暴ではありますが、さすがに共働き世帯の割合は
そんなに少なくないはず。
ということは、どういうことなのかと申しますと……、
個別面談(含めて親参加型の学校行事全般)はなぜかお母さん方の領分(もしくは負担、もしくは関心事)になっていることが多いと言えるわけです。
さらに考えると、職場において子供のために後半休を取ったり育児休暇を取得しやすいのは、「お母さん>お父さん」という図式が見え隠れするわけであります。
「来週、子供の面談があるので休ませてください」
このセリフは語っている人の性別を特定していない場合、男性・女性、どちらの発言だと思われましたか?
恐らく今現在の日本では「お母さん」と答える方が大半なのではないでしょうか。
こういった歪んだ形が今の日本の子育てにはあるのかなと、殊勝にも小学校の廊下で悶々と思う親男なのでした。
仮に国が「女性の活躍が重要!」とか、「マタハラが問題だ!」、「イクメンを増やそう!」なんて言ったところで、残念ながら実態はこの通りです。
実際、個別面談を待っている間、同じ登校班のお母さんから「お父さんが出席されるんですね?!」と驚かれたことが、逆に私にはちょっと驚きでした。
もしも、女性の社会進出が進んでいて、雇用機会均等法が字面通り機能していたら、結婚・妊娠・産休・育休・病児保育・その他子育てのエトセトラはうまくお母さんとお父さんで分担できているはずなわけであり……。
であれば、個別面談のお父さんの出席率は少なくとも『2/32名』なんて低くて歪な数字にはならない、と思うわけです。
で。
それはまあそれとしても、当時も今も私の切なる願いとしては、親参加型の学校行事(PTA活動を含む)に関しては、頼むから平日昼間はマジやめてくれ、と声を大にして言いたいのであります。